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「選択」をテーマに研究を続けるアイエンガー教授は、動物園の動物の寿命が、野生の動物よりはるかに短いのも「選択の自由」がないからであり、ストレスの多いはずのトップの寿命が長いのも、「自分でさまざまなことを決めることができる選択の自由があるからだ」と結論づけた。
アイエンガー教授の説く「選択の自由」とは、産業ストレスの分野では裁量権、あるいは機会、心理学ではローカス・オブ・コントロール、などが類似概念となる。これらは簡単にいうと、「自分で自由に決めることができる権利」、あるいは「その感覚」のことで、一般的には「裁量権」という言葉が用いられるケースが多い。
いずれにしても、この「自分で自由に決めることができる権利があるという感覚」はストレスの雨に対峙するための大きな傘であるとともに、働く人のやる気を喚起し、職務満足感や人生の満足度を高めるうえで非常に重要な役目を担うことが、これまで多くの調査結果で示されてきた。
そして、恐らくこれから組織を動かしていくうえでも、個人の働き方を追求するうえでもキーワードになる。少なくとも、私はそう考えている。上司と部下の関係に代表される組織風土や人間関係と同程度、あるいはそれ以上に重要な、ストレスの雨に対峙する傘となることだろう。
例えば、「自分で自由に決めることができる権利があるという感覚」を社員に持たせることができたトップは、自らの寿命だけでなく、会社の寿命を延ばすことが可能になるはずだ。